遅れてきた「花の94年組」。二宮真琴が咲き誇ったウインブルドン (5ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 同時に今回の二宮の躍進は、すでにウインブルドンを去り帰国していた"94年組"にも、大きなインパクトを与えたはずだ。日比野はニュース番組で報じられる二宮の活躍を見て、「まこちゃん、すごい!」と喜び、「わたしも早く追いつきたい」と奮起した。

 それは他の面々も共有した、胸の高鳴りや心のざわつきだろう。泡立つ感情は時に焦燥などの痛みも伴うが、その刺激が互いを高め合ってきたのも事実。以前に穂積が、達観したような口調で言ったことがある。「しょうがないです、この年に生まれてきちゃったんだから」。

 新たに火がついた花火は、また新たな花火を打ち上げるだろう。花の94年組の百花繚乱のときは、まだまだこの先に控えている。

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