錦織圭、今年もベスト8進出。集中する秘訣は「ドローを見ない」こと

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「今回はずいぶん、早いラウンドでのいい試合が多いな......」

 大会も序盤から中盤に差しかかる、インディアンウェルズ・マスターズの2〜3回戦――。トーナメントの全体像をなんとなく把握しつつ、錦織圭はそんなことを感じていたという。

錦織圭は同い年のドナルド・ヤングを下して準々決勝へ錦織圭は同い年のドナルド・ヤングを下して準々決勝へ 3回戦では、テニス界の次代を担う若手の代表格であるニック・キリオス(オーストラリア/21歳)とアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/19歳)が顔を合わせた。4回戦では早くも、先の全豪オープン決勝のカードであるロジャー・フェデラー(スイス)対ラファエル・ナダル(スペイン)が実現した。

 同時に70位の西岡良仁が14位のトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)を破り、世界1位のアンディ・マリー(イギリス)が予選上がりのバセク・ポシュピシル(カナダ)に敗れるなど、大小の波乱もトーナメントに彩りを添える。それら若手や中堅どころの成長を認める錦織は、「誰が上がってきても、そんなに驚きはないです」と言った。

 錦織のこのような発言は、彼が大会ドローの全容を見ておらず、次に誰と対戦するかは直前まで知らないこととも関わっている。

「ドローは見てない。次に誰が来ても、いいテニスをするだけ。対戦相手によって多少は戦い方を変えはするが、基本的には自分がやるべきことに集中している」

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