決勝の相手・ジョコビッチ分析。
錦織圭の勝機は「第1セット」 (3ページ目)
無理をせず、焦らず......というのがジョコビッチ戦へ向けた錦織の思いだが、勝利のためには第1セットを奪うことが、ほぼ絶対条件になるのは間違いない。なぜなら、ジョコビッチが第1セットを先取したときの勝率は、キャリアを通じて95.8%。これはテニス史上で、もっとも高い数字である。
一方の錦織も、第1セットを取った際の勝率は91.7%と高く、現役選手中6位の成績。なお、過去の両者の対戦では8回のうち7回まで、第1セットの取得者が勝者となっている。ちなみに、唯一の例外が2011年のバーゼル大会での対戦で、このときは錦織が逆転勝利を手にした。
実はこの試合では、ジョコビッチが腕に痛みを覚えて第3セットで失速したのだが、逆を言えば、「もつれれば何かが起きる可能性もある」ということ。なお、ファイナルセットの獲得率はジョコビッチが74.5%、錦織が77.5%といずれも高い。決勝戦での勝率となると、ジョコビッチが70.1%で、錦織は68.8%。"勝負強さ"という点において、錦織はジョコビッチに引けをとらない。
ただし、大舞台の経験値や手にしたタイトルの格ということで言えば、錦織がジョコビッチに遠く及ばないのは厳然とした事実だ。キャリア獲得タイトル数は、錦織11に対し、ジョコビッチは62。しかもその内訳は、グランドスラムが11で、マスターズは実に27を数えている。
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