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決勝の相手・ジョコビッチ分析。
錦織圭の勝機は「第1セット」 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by Getty Images

『ATPマスターズ1000』は、基本的に全トップ選手に出場義務が課せられる、グランドスラムに次ぐグレードの大会だ。年間に9大会が開催され、なかでも北米開催のインディアンウェルズとマイアミは参戦選手の数が多く、それが"第5のグランドスラム"と呼ばれる所以(ゆえん)である。

 ジョコビッチが持つ27のマスターズ優勝回数は、ラファエル・ナダル(スペイン)と並んで史上最多。さらに驚くべきは、ジョコビッチは「現役最年少のマスターズ優勝経験者」だということだ。

 ここ数年のATPマスターズ1000優勝者のリストとは、"ビッグ4"と称されるジョコビッチ、ナダル、ロジャー・フェデラー(スイス)、アンディ・マリー(イギリス)による独占の歴史である。現役選手でこの4人以外に優勝経験があるのは、スタン・ワウリンカ(スイス)、ダビド・フェレール(スペイン)、そしてジョー=ウィルフリード・ツォンガ(フランス)のわずか3名。ビッグ4の厚き壁に阻まれ、ジョコビッチよりも年少の選手は、まだ誰ひとりとしてタイトルに手が届かずにいる。

 ジョコビッチより2歳年下の錦織は、今回がマスターズ2度目の決勝である。

「この経験の差が、自分に有利に働くと思うか?」。そう問われたジョコビッチは、厳しい表情で答える。

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