全豪ベスト8敗退。錦織圭が肌で感じたジョコビッチまでの距離 (2ページ目)
「やはり守って勝てる相手ではないので」と錦織は、果敢に攻めるが、先にミスをしてしまったり、あるいはいいショットを深く入れても、ジョコビッチに切り返されて、ウィナーを奪われたりした。
ツーセットダウンになった錦織は、メディカルタイムを取って、左太ももにテーピングをしてもらったが、4回戦から少し痛みがあったという。
第3セットに入ると、第5ゲームまでにお互い2回ずつのサービスブレークがあった。
「ブレークはしていたけど、もどかしい感じでした。彼を相手に連続してゲームを取るのは難しい」
錦織がそう語ったように、先にブレークしても直後の自分のサービスをキープできず、焦りが募るばかりだった。錦織は自分のテニスの感覚をつかみつつあったが、ジョコビッチもさらに集中力を上げてプレーしてきたため、錦織にしてはめずらしくプレーが単調になってしまった。結局、第7ゲームを錦織が40-15からブレークされて万事休した。
安定感を重視したジョコビッチは、各セットともミスを9本に抑えた一方で、「ミスが多すぎた」と振り返った錦織は、試合を通して54本ものミスを犯し、自分の不甲斐なさを嘆いた。
「いいテニスはできているので、あんまり落ち込みたくはないですけど、一番強い選手とはいえ、やっぱりもうちょっと何かできただろう。自分の力を全部は出せていなかったと思うので、やっぱり悔しいは悔しいです」
そして、錦織は王者ジョコビッチに追いつくのに、まだまだ世界の頂点との距離を痛感せずにはいられなかった。
「今日の試合を見ると、やっぱりまだまだありますね。集中した時の彼は攻めるのもできるし、守りがすごく固いので、やっぱり一番崩すのが大変な選手。弱点がなかなかない分、どこを攻めたらいいのか、試合の中で迷う時もあります。大事なポイントや大事なゲームをなかなか簡単に取らせてはくれないので、まだまだ差はあるように感じます」
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