全豪ベスト8敗退。錦織圭が肌で感じたジョコビッチまでの距離

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

対戦を終えて、ジョコビッチと握手を交わす錦織圭対戦を終えて、ジョコビッチと握手を交わす錦織圭 「やっぱりまだまだありますね」

 世界ナンバーワンに君臨するノバク・ジョコビッチとの戦いを終えたばかりの錦織圭は『王者との距離』について、いつになく落胆した表情を浮かべながら力のない声で語った。

 錦織(ATPランキング7位、1月18日付け、以下同)は、オーストラリアンオープン(全豪)準々決勝で、第1シードのジョコビッチ(1位)に3-6、2-6、4-6で敗れ、自身初の全豪ベスト4進出はならなかった。

「ノバクと戦うのはたしかに容易なことではありません。彼はここ数年キャリアベストのテニスをしていますからね。圭に失うものはありません」

 ダンテ・ボッティーニコーチはそう語っていたが、錦織の出だしは良かった。錦織はカウンター気味のバックハンドストロークを起点にして、ジョコビッチを揺さぶった。

 一方、ジョコビッチは「最初の数ゲーム、圭はとても速かった。ボールを早く捕らえて、両コーナーからとてもアグレッシブだった」と語るものの、そのプレーは想定内であり、慌てることなく集中しながら対応し、錦織に1つでも多くのショットを打たせようとした。

 第1セットは両者いいスタートを切り、第5ゲームまでは、お互いクオリティーの高い緊迫したサービスキープが続いたが、第6ゲームで、錦織が40-0から逆転されて、最初のサービスブレークを許すと、試合の流れはジョコビッチに傾いた。

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