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全仏オープン開幕。錦織圭が3度目の対戦で見せた「格の違い」 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 ここ2~3年の大半をチャレンジャー(下部大会)やATPツアー250(ツアーの中で一番グレードが下の大会)で過ごしてきたマチューは、そう言って自嘲ぎみな笑みを浮かべた。

 月日は誰にも等しく流れるが、その流れがもたらすものは、時に残酷なまでのコントラストを描く。

「彼のボールは、とても速い。特にフォアハンドの打球は、多くの守備的なスペイン選手たちと比べると明確だ。彼は非常に攻撃的。スピードがあって、動きがとても速い。そして、クレーでのスライディングも体得している」

 錦織のクレーでの強さに言及すると、マチューはきっぱり断言した。

「ローラン・ギャロス(全仏オープンの別称)で優勝するポテンシャルが彼にあるのは、間違いない」

 今後、ふたりのキャリアが交わることは、もうないのかもしれない。それでも、それぞれの戦いは続いていく。

 開幕前に引退も示唆していたマチューは、今後の予定について聞かれると、「ウインブルドンの予選に出る」意向を明かした。

「もし誰かが、『君は33歳にしてウインブルドンの予選に出るよ』と言ってきても、僕は信じなかったろう。でも僕は、今年初めてウインブルドンの予選に出るよ」

 一方の錦織は、全仏2回戦でマリンコ・マトセビッチ(オーストラリア/100位)とトマス・ベルッチ(ブラジル/40位)の勝者と対戦する。

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