【部活やろうぜ!】堀江翔太がFWなのにキックがうまいのは「めっちゃ金がかかる」私立をあきらめ公立に進学したから (2ページ目)
【ノリでグラバーキックも】
キックは主にBK(バックス)の仕事であり、FW(フォワード)がキックすることはまずない。日本のトップレベルや代表レベルでもFWがキックを放つケースは少ないが、基本プレーを重んじる高校ラグビーにおいて堀江にキックが許されたのは、経緯と理由がある。
「仲がよかったFWが3人いて、彼らはLOとHOとPRやったんですけど、キックオフ後の(レシーブ側の)リフトしてキャッチする練習をしたいって言われて、それに付き合ったんです。僕がキックオフのドロップキックを蹴って、初めは全然ダメやったんですけど、どんどんキックの精度が上がってきて、ちゃんとキックオフの練習になったんです」
仲間の練習に付き合ううちに、みるみるキックが上達し、いつしかそのスキルは監督の目に留まった。
「その後もノリでグラバーキック(低い弾道でグラウンドを転々と転がすキック)なんかも練習してたら、天野寛之監督(現・大阪府ラグビーフットボール協会会長。横浜キヤノンイーグルスSH天野寿紀、元ホンダヒートHO天野豪紀の父)にも、また当時の10番(SO)のヤツにも『(試合で)キックしていいよ』 って許されたんですよね。
なので、試合では相手のディフェンスを見て『あそこにスペースがあるな』と思ったら蹴ってましたし、フェーズを重ねるなかで(状況に応じて)ハイパントも蹴っていました」
そんな堀江のキック精度とプレー選択の判断は、のちに2012年から2015年まで日本代表で薫陶を受けることになるエディー・ジョーンズ(現・日本代表HC)にも自由なプレーを認めさせるほど卓越していた。世界的名将との信頼関係を思い出した堀江はクスっと笑った。
「たしかにエディーさんもそんな感じでした(笑)。今考えると、高校時代に自由にやらせてもらったのはマジで助かりました。それから現役時代の間はずっと、高校時代のプレーが生き続けてました。
公立高校のラグビー部なんで、決め事らしい決め事がなかったこともあって、スペースが空いてるところを突くような感じでプレーしてました。だからその後もスペースに対する(攻める)クセ、意識がついたんじゃないですかね」
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