ラグビー日本代表「堀江翔太の後継者」原田衛の奮闘 見せた「超速」の片鱗 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【堀江翔太や坂手淳史と違うフッカー像】

 昨年のワールドカップメンバーでは「セットプレーの要」となる2番に、今季で引退したレジェンド堀江(埼玉ワイルドナイツ)、坂手淳史(埼玉ワイルドナイツ)、堀越康介(東京サンゴリアス)の3人が選出。そして今回、6月から本格的な活動を始めた新生・日本代表には41キャップの坂手に加えて、ノンキャップの原田と佐藤健次(早稲田大4年)が選ばれた。

 初陣となるイングランド代表戦では、3人のなかから誰を選ぶのか。選手時代にフッカーだったジョーンズHCのファーストチョイスは、原田だった。

 原田は兵庫県伊丹市出身。5歳からラグビーを始め、桐蔭学園では高校1年から花園決勝の舞台を踏み、2年・3年もベスト4進出に貢献。慶應義塾大に進学後も1年から試合に出場し続けて、4年時は主将も務めた。卒業後はブレイブルーパスに入団。「東芝はアットホームな雰囲気があり、強くなると思った」と意気込みを語り、社会人2年目にはプロ選手となった。

 今季はFLリーチ マイケル主将のもと、原田は副将を務めてプレーオフを含む18試合に出場(17試合で先発)し、14シーズンぶりのブレイブルーパス優勝に貢献。得意のボールキャリーだけでなく、セットプレーでも成長を見せて「ベスト15」に輝くなど、飛躍の1年となった。

 一躍リーグワンを代表するHOとなった原田は、当然、日本代表にも名を連ねた。

「堀江さん、坂手さんのふたりにないようなフッカー像を目指していきたい。ふたりをマネしていても同じところにしかいけないので、違った強みを代表でも見つけていきたい」

 6月から始まった宮崎合宿でジョーンズHCは、5月まで現役選手だった元オールブラックスの名PRオーウェン・フランクス、南アフリカを代表するLOヴィクター・マットフィールドをコーチに招聘。強力なふたりの指導のもと、FW陣はスクラムやラインアウトといったセットプレーの強化に努めた。

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