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ラグビー日本代表は「過去4年間で最高のプレー」 リーチは「全力を尽くしての結果。ラスト20分の戦いが最後のピース」 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 齋藤龍太郎●撮影 photo by Saito Ryutaro

【スタッツだけを見ればどちらが勝者かわからない】

 No.8姫野和樹キャプテンは目を赤くしながら、試合を振り返った。

「ここまで来るのに、本当にたくさんの犠牲を払って、みんな100パーセント努力してきた。そのことを誇りに思います。日本のファンに結果で恩返しすることができなかったですけど、僕たちの歩んできた道のりは無駄じゃなかったし、夢や文化、レガシーは受け継がれていく。日本ラグビーはまだまだ強くなれると信じています」

 モールもハイボールも強く世界一のディフェンスを誇るアルゼンチン相手に、日本のプランは「80分間プレッシャーをかけ続ける」ことだった。そして攻撃で勢いが生み出せていない時はSHからやSOからのハイボールキックで相手陣内に攻め込み、相手の大きなFWを背走させてボールの再獲得を狙った。

 焦点のひとつとなったFWのマイボールスクラムやラインアウトも安定し、反則数は6と試合を通して規律も高かった。前半は崩れた状態やスクラムを起点にBKの展開力でトライを挙げるなど、自分たちの形でもトライを挙げた。

 攻撃のスタッツを見ても、テリトリーとボールポゼッションはともに50パーセント前後の五分。ゲインラインを越えた回数61、パス回数=153、ディフェンス突破回数29、オフロードパス7と、すべて相手より上回った。世界の強豪相手に互角の戦いを演じ、スタッツだけを見ればどちらが勝者かわからないほどだ。

 この試合で勇退が決まっているジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は、その内容を踏まえて選手を称えた。

「今日は全員がフィットし、精神的にも肉体的にもビッグプレーをする準備ができていた。おそらく過去4年間で最高のプレーをしたと思う。経験豊富なアルゼンチンに対し、我々の姿勢、意図、そして自分たちのラグビーをしようという意志において、私はチームをとても誇りに思う」

 4度目のワールドカップを終えたHO堀江翔太は「やりきった感があります。取り合いになったところは、相手にうまいところがあった。悲観することはない」と胸を張った。リーチは「出しきってこれ(この結果)です」と振り返ったように、日本代表は今、持っている力をすべて出しきっての敗戦だったと言えよう。

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