ラグビー日本代表は「過去4年間で最高のプレー」 リーチは「全力を尽くしての結果。ラスト20分の戦いが最後のピース」

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 齋藤龍太郎●撮影 photo by Saito Ryutaro

「敵地でベスト8進出」という世界の壁は、やはり高く、険しかった──。

 フランスでラグビーワールドカップ(W杯)を戦っているラグビー日本代表(世界ランキング12位)は10月8日、ナントでベスト4に過去2回入っている「南米の雄」アルゼンチン代表(同9位)と激突した。

 予選プールDに所属する2チームは、ともに2勝1敗。勝ち点9で並んでいたため、つまり勝ったほうがシンプルにベスト8に進出する決戦だった。

 過去の対戦成績は、日本代表の1勝5敗。大きく負け越している世界的強豪に対して、"ブレイブブロッサムズ(勇敢な桜の戦士たち/ラグビー日本代表チームの愛称)"は前半から真っ向勝負を挑んだ。

試合後にチームメイトひとりひとりと抱き合うリーチマイケル試合後にチームメイトひとりひとりと抱き合うリーチマイケルこの記事に関連する写真を見る 前半2分でタックルミスから相手に先制トライを許すも、前半16分にはカウンターからFLリーチ マイケル、LOアマト・ファカタヴァとつなぎ、ファカタヴァが蹴ったボールを自らキャッチし、トライを挙げて同点とする。

※ポジションの略称=HO(フッカー)、PR(プロップ)、LO(ロック)、FL(フランカー)、No.8(ナンバーエイト)、SH(スクラムハーフ)、SO(スタンドオフ)、CTB(センター)、WTB(ウイング)、FB(フルバック)

 その後、FLピーター・ラブスカフニが危険なタックルでシンビン(10分間)中に8点を奪取されたが、前半38分にはスクラムを起点にワールドカップ初出場となったWTBシオサイア・フィフィタがブレイクし、最後はフォローしたSH齋藤直人がトライを挙げて14-15で前半を折り返した。

 後半は、相手に得点を取られては追いかけるという展開に。SO松田力也のペナルティゴールやFBレメキ ロマノ ラヴァのドロップゴールなどで点差を詰め、後半25分には途中出場のWTBジョネ・ナイカブラのトライで27-29と2点差。十分に勝つ流れにまで持っていけた。

 だが、大事なところでミスやペナルティを犯し、最後はトライとペナルティゴールを重ねられ、27-39でノーサイド。日本代表は善戦したものの、2大会連続のベスト8進出を逃した。

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プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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