ラグビー日本代表SH齋藤直人のパススキルが劇的に向上した理由 高校の恩師もびっくり「誰にパスを教わったの?」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

 SHは足場がよくてプレッシャーもない状態だったら、いいパスは投げられると思います。ですが、プレッシャーがかかると腕が振れなくなるし、体勢が悪い時に必要なのも『リストの強さ』です。そう思ったので、3年くらい前から全体練習前にグラウンドに行って、コーチとボールを使って手首だけでのパス練習を続けています。

 当時のサンゴリアスの指揮官だったミルトン・ヘイグは現役時代SHでしたし、アーロン・スミス(ニュージーランド代表SH)を若い時に指導していたジェイソン・オハロラン・コーチもサンゴリアスに入ってきて、ふたりから『リストを使ったほうがいい』と言われたのもきっかけです。だから今では、僕のパスはけっこう手首を利かせることができていると思っています」

── サンゴリアスの先輩SH流大(ながれ・ゆたか)選手とは日本代表でも9番を争っていますが、齋藤選手にとってどういう存在でしょうか。

「『(関係は)ギスギスしているんじゃないの?』とよく勘違いされるんですけど、一緒に飲みにも行きますし、全然ギスギスしてないですよ(笑)。ただ、グラウンドでも仲がいいかと言われたら、僕はそう思っていないです。練習中、もしトイメン(対面)で対戦することになったら、絶対にガンガンいきます!」

── 流選手から「パススキルは直人に教わっています」と聞いたことがあります。

「『パススキルは』って言っていました? 全部のスキルが(流)大さんより上手になるよう、もっと頑張ります! 大さんから学んでいることは、FW陣にもBK陣にも積極的に声をかけるリーダーシップな部分がすごく勉強になっています。

 ふたりで一緒に分析ビデオを見るなど、大さんとはいつも真面目にラグビーの話をしています。僕が的確な発言をした時は『めっちゃいいと思う』『直人が言わなかったら俺が言おうと思っていた』とフォローしてくれるので、それも大さんの心の大きさかなと感じています」

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