ラグビー日本代表の不動の12番・中村亮土が「できるじゃん!」と認められるようになるまで「あのトライから信頼度が増した」 (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

── ところで、昨年はシーズン終了後に首を手術し、春から夏にかけて代表活動を辞退していました。首の調子はその後、いかがですか?

「もう大丈夫です。首のヘルニアが原因で、手術前はいろんな治療をしました。症状が一度なくなった時もあったのですが、根本的な原因は治っていないし、次第に左肩から手にかけての痺れもひどくなって......。

 徐々に筋力も落ちていって、トレーニングでダンベルを挙げる重さも20kgが精一杯。ベンチプレスも20kgのバーだけで挙上している時もありました。

 今年のワールドカップのことを考えたら、早めに治療したほうがいいなと。それで昨春の代表活動は断念し、リハビリに専念したんです。手術後2カ月ぐらいからトレーニングをはじめ、その後は問題なくプレーできるようになりました」

── 現在の日本代表チームをどう見ていますか。コロナ禍の影響で2019年ワールドカップ以降、ほかの強豪国と比べて試合経験は少ない状況です。

「この2年間は(コロナ前と比べて)試合数も違うし強度も違うので、明らかに経験値の少なさが結果に出たという感じはあります。でも、何が課題で今後どういう状態に持っていかないといけないか、今はコーチ陣から明確に提示してもらっているので、それらはクリアになっています。だから全然 不安はないですね!」

◆中村亮土・後編>>「自衛隊」みたいに厳しかった鹿児島実業高ラグビー部時代


【profile】
中村亮土(なかむら・りょうと)
1991年6月3日生まれ、鹿児島県鹿児島市出身。中学まではサッカー部に所属し、鹿児島実業高に入学してからラグビーを始める。帝京大を経て2014年にサントリーサンゴリアスに加入。日本代表歴はジュニア・ジャパンやU20代表を経験したのち、2013年5月のUAE戦で初キャップを獲得。2019年ラグビーワールドカップの日本代表メンバーにも選出され、2021年には副キャプテンに就任する。ポジション=CTBセンター。身長182cm、体重92kg。

プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る