ラグビー日本代表の不動の12番・中村亮土が「できるじゃん!」と認められるようになるまで「あのトライから信頼度が増した」 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

── 2018年11月のイングランド代表戦や2021年10月のオーストラリア代表戦でトライを挙げるなど、最近の中村選手はアタックでもインパクトのあるプレーで目立っています。どのような心がけで試合に臨んでいるのですか?

「なんでしょうね......試合を読むようになったというか。次を予測しながら動くように心がけてから、少しずつそういう決定機につながるプレーになってきたのかなと。

 それまではラグビーを『点』でしかやってこなかったんです。それが今は『線』をイメージしてプレーできるようになってきました。ひとつひとつのプレーじゃなく、相手や周りがどう動くか理解し、何が起きるかを予測すると、どんどん自分のプレーもよくなっていきましたね」

── いつからそういったプレーを心がけるようになったのですか?

「サンゴリアスに入って2〜3年目、まだ試合に出られなくてくすぶっている時、ひとつのことを極めようと思ってディフェンスのタックルだけを練習していました。タックルを強みにしようと思ったきっかけは、今サンゴリアスの広報を務めているやっさん(長友泰憲/元日本代表WTBウィング)がめちゃくちゃディフェンス、うまかったからです!

 毎日、全体練習が終わったあと、やっさんにマンツーマンで教えてもらいながらタックル練習をやっていました。そうしていたら、2017-2018シーズンのトップリーグ・プレーオフ直前あたりからパフォーマンスがどんどん上がっていったんです。

 その後は、プレーオフで結果を出して、するとジャパンにも選ばれて......みたいな。タックル練習を一生懸命に取り組んでから、徐々に流れがよくなったと感じています」

── 2017年秋のフランス遠征の時は、まだ試合に出してもらえなかったですよね。

「そうでしたね。(チーム内練習では)相手役をやっていました。対戦相手のフランス代表には、CTBなのにFWのような体重120kgを超えるマチュー・バスタローという選手がいたので、控え組の僕が"バスタロー役"になりきって、空気を読まないくらいに激しくチームメイトに当たっていきましたよ(笑)。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る