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「何もできなかった」10番での挫折...松田力也「2019年W杯の悔しさ」を晴らすためにスタンドオフのスキルを磨いてきた (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

 誰と組んでも、一緒によさを引き出して、ゲームを作っていければいい。コミュニケーションをたくさん取っていけば、どんどんよくなっていくと思います」

── 日本代表SOとして印象に残っている試合はありますか?

「まずは社会人1年目、2017年11月のオーストラリア代表戦(30-63)ですね。初めてテストマッチで10番を背負いました。ずっと12番をやっていたシーズンでしたが、10番で使ってもらって『何もできなかった』という悔しさがあります。そこから、ほぼ日本代表では10番を背負わせてもらうことはなくなりましたし、あの試合ではすごく挫折を覚えました。

 10番として準備やスキルなど、全部が足らなかったなと思います。でも、そこから見つめ直すことができて、10番としてすごく手応えを感じ出したのは(優勝した)トップリーグ最後のシーズンくらいからです。スタメンで出ることも多くなって、チームに勝つ流れを持って行くことができるようになったので。

 そんななか、2021年10月に大分で行なわれたオーストラリア代表戦で、再び日本代表の10番をつけて戦うことができました。負け(23-32)はしましたけど、今までにはない手応えを掴むことができ、『インターナショナルレベルでもいけるな』って感じた試合でした。

 その後、アウェーでのスコットランド代表戦(20-29)で10番を経験させてもらったことも、すごく自信をつけることができました」

── W杯フランス大会で日本代表が予選プールを通過すれば、準々決勝でそのオーストラリア代表と対戦する可能性があります。

「そうですね! そうなれば、すごく縁があるなと思います。想像したらちょっとゾッとしましたけど(笑)、3度目の正直になるので、次は勝つしかないと思っています!」

── 予選プールでは、初戦でチリ代表、続いて優勝候補のイングランド代表、次にサモア代表、そして最後は強豪アルゼンチン代表と対戦します。

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