慶應ボーイでラグビーエリート、しかもイケメンで実業家。CTB永山淳が語った早慶戦への課題 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

ラグビー選手を続けるか否か

 高校日本代表には、帝京大で活躍するFL(フランカー)奥井章仁(大阪桐蔭出身)、HO(フッカー)江良颯(大阪桐蔭出身)、明治大のCTB廣瀬雄也(東福岡出身)と、錚々たるメンツがいた。ただ、大いに期待された世代だったが、コロナ禍により海外遠征は中止となった。

 大学を選ぶ際は「高校までを振り返るとラグビーしかしてこなかったので、広い視野を持ちたい」と考え、慶應大の総合政策学部にAO入試で合格。現在は他競技の選手らとともにコーチングを勉強している。

 ラグビーを教えることも大好きな永山は、中学・高校では限られた顧問からしかコーチングを受けられないことに疑問を感じていたという。「日本ラグビーを底上げしたい」という想いに駆られ、大学1年時に中高生を中心にラグビー指導する「ESC Academy」を高校時代の同級生と立ち上げた。

「ラグビー界で問題となっている中学生のアカデミーの拠点を増やすこともそうですが、今の大学生の選手たちが選手を引退した頃、セカンドキャリアとして指導者を受け入れる箱を増やしておきたい。10年後にはセカンドキャリアのひとつとして考えてもらえるアカデミーにしたい」

 日本ラグビー界の将来を見据え、永山は今後の夢をこう語る。

 実は大学1年の終わりに、永山は「アカデミー事業に専念」すべく、栗原監督に「大学2年でラグビー部を辞めたい」と相談したという。しかし、栗原監督からラグビー部とアカデミー事業を両立させるスケジュールを提案され、大学3年になった今も選手を続けている。

 高校時代から大型BKとして将来を嘱望されてきた永山は、もちろん多くのリーグワン強豪チームから誘われている。だが、永山はラグビー選手を大学で終えるか、卒業後もプロとして続けるか悩んでいるという。アカデミー事業を発展させるうえで、「若いから話を聞いてくれる人もいる」と考える一方、「プロ選手であれば事業と両立できるかもしれない」とも思うからだ。

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