松島幸太朗はなぜフランスから戻ってきたのか。協会からの「戻ってこい」は全部嘘。帰国の決め手となったのは... (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by (C)ASM Clermont Auvergne Rugby

「大学に行かずにプロ選手になってプロチームに行けるのであれば、それが一番いいと思います。チャレンジは特に若いうちからやっといたほうがいいし、海外に行ける選手は行ったほうがいい。ある意味、近道になるかもしれませんが、そこは自分次第だと思います。どの道に行くにしろ、自分でしっかり意志を持ってやればいいと思います」

---- 日本に戻ってくる決断した理由は、結婚して子どもが生まれたことも大きかった?

「かなりの長い期間、クレルモン側から「残ってくれ」と説得されていました。一度断っても、別の提案でまたオファーしてくれましたし......。ただ、かなり田舎ということもあり、私生活では日本に比べたら不便さを感じていて、それが僕だけでなく、家族にも多少なりともストレスになっていた。なので、ラグビー面で決めずにほとんど私生活という部分で(日本に戻ることを)決めました」

---- フランスの報道だと、ワールドカップ1年前なので日本ラグビー協会にも「戻ってこい」と言われていると書かれていましたが......。

「そこに関してまったく何も言われてないので、全然、嘘ですね(笑)。フランスでも日本でも、どっちでやるにしてもパフォーマンスを上げるだけなので、どっちでやりたいかと言われれば半分半分ぐらいでした。 帰ってもいいし、残ってもよかった」

---- 日本に戻ると決めた時、古巣の東京サントリーサンゴリアスを選んだのは?

「日本に戻ってくるにあたり、ほとんどサンゴリアスをメインに考えていました。僕が『海外に行きたい!』と伝えたら、応援してくれて出してくれました。それに応えるためにもフランスで頑張っていた部分もありますし、恩を返したかった。

 もちろん、慣れ親しんでいるクラブというのもありました。どういうラグビーをするのかもわかっています。ワールドカップまでの期間を考えても、すんなり入れるのはサンゴリアスだと、ほとんど迷いはなかったですね」

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