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松島幸太朗はなぜフランスから戻ってきたのか。協会からの「戻ってこい」は全部嘘。帰国の決め手となったのは... (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by (C)ASM Clermont Auvergne Rugby

 フランス人や外国人選手は『まず負けたくない』っていう気持ちがグラウンドで出ているので、負けずにプレーするには気持ちの面が大事だと。パスやキックなど基本スキルを大切にし、しっかり準備段階で自信をつけてからグラウンドで表現しようと臨んでいました。

 また、強いチームになるには戦術をしっかり理解することも必要で、クレルモンの1年目はそんなに悪くなかったと思いますが、2年目は監督や選手が変わったりして、ちょっと難しいシーズンでしたね。緊迫した状況や(プレーオフに入って負けられない)ファイナルラグビーになった時にどういうプレーを選択するのか、体が反応するところはあると思います」

---- 改めて、2年前にサントリーからクレルモンに移籍した理由は?

「W杯でやりきったという思いは全然なく、クレルモンから話もあったので、いいタイミングかなと思いました。新しい刺激がほしかったのであまり迷いもなく、そんなに難しい判断ではなかったです。

 新しい文化や違うラグビーカルチャーを体験してみたかったし、しっかりと試合に出たいという思いもあった。この2年間で、しっかりと試合に出ることもできたし、間違いなく行ってよかったなと思います」

---- 2019年のワールドカップ以降、海外でプレーした日本代表選手は松島選手と姫野和樹選手(ハイランダーズ/ニュージーランド)だけでした。

「今は(スーパーラグビーに参戦していた日本チームの)サンウルブズがなくなったので、外国のクラブチームと試合をする機会はなくなっている。ただ、コロナの状況もありますが、海外移籍できる状態になっているとは思う。タイミングやいいチームに移籍できるかという問題はありますが、あとは行く意志があるかどうかだと思います。海外でプレーする選手はもっと出てきてほしいですね」

---- かつての松島選手のように、ロックのワーナー・ディアンズ(ブレイブルーパス東京)やウィングのメイン平(ブラックラムズ東京)など、高校から大学に進学せずにプロリーグでプレーする選手も増えてきました。

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