トップリーグいよいよ開幕。次の日本代表を担う「3人の注目ルーキー」 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 長尾亜紀●撮影 photo by Nagao Aki

 齋藤のライバルは、前主将の流だ。「サントリーでも日本代表でも9番の(流)大さんをターゲットに、明確な目標が一番近くにいるのでモチベーションを高く保てています」(齋藤)

 世界レベルの選手たちと対等にプレーし、流とのポジション争いにも勝つために、齋藤は体重を増やしたという。

「ランは強みになると思うし、フィットネス、パススピードにも自信があります。ほかにも武器になる部分を考えたら、タックルも強みになるので筋力を増やしていこう」と考え、体重を2kgほど増やして現在は74kgになった。

 また、バレットの言葉をきっかけにプレースキックの練習も再開した。大学時代にプレースキックを蹴っていた齋藤に対し、バレットは「イングランドやフランスではSHがキックを蹴る場合も多いし、上のレベルにいけばいくほど武器は多いほうがいいから、蹴ったほうがいい」とアドバイスしてくれたという。

 今季から主将に就任した中村から、齋藤はチームを引っ張るリーダーのひとりにも指名された。

「まずはチームが勝つために、その時にやらなければいけない自分の役割をまっとうしたい。個人的には9番を着て試合に出たいので、(チームからの)信頼を得られるようにがんばりたい」

 ふたり目は、明治大の3年時に大学選手権を制したリコーブラックラムズのHO(フッカー)武井日向だ。FWとしては身長171cmと上背がある選手ではないが、ボールキャリアーとして接点での力強いプレーが持ち味の選手である。

 武井がリコーを選んだのは、練習環境がいいこと、実家の栃木に近いこと、そして「雰囲気が家族のようだった」と語る。昨年2月末から3週間ほど、リコーが提携しているニュージーランドの強豪ハリケーンズに短期留学し、オールブラックスのHOデイン・コールズとも一緒に汗を流した。

「FWでもラン、パスのスキルが高かった。全員がプロ選手で刺激になりました。コールズはチームをまとめる部分がうまくて、その経験を(日本でも)還元できればいいかな。僕は(現在)プロ選手ではないですが、日本代表を目指すにはプロとしての自覚が必要だと思いました」(武井)

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