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浦和高校ラグビー部が花園へ。
「一流の文武両道」で初勝利と受験に挑む (3ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 門脇 そら●撮影 photo by Kadowaki Sora


「僕は、彼らに自由に考える時間を与えるようにしたんです。練習中も、できる限り任せられるところは彼らに任せて、チームで話し合わせたりするようにしてみたんです」

 そう語ってくれたのが、自身も浦高ラグビー部出身で、前回の2013年にはコーチとして花園を経験し、今回は監督として花園に乗り込む三宅邦隆先生。

「6年前のチームは、前監督の小林剛先生が、どちらかというと丁寧に細かく教え込んでいく指導をしていたんですよ。その中で、僕もいろいろと学ばせてもらって、そこに試合がない日曜日はオフにしてみたり、平日のうちの木曜日をセルフトレーニングにあてて、トレーニングしてもよし、勉強してもよしという日にしてみたりと、僕なりのエッセンスを加えてみたんです」

 これこそが、ラグビー部員たちに自主的に考えるクセをつけさせていくという、三宅先生オリジナルのアイディアだった。

「今の浦高の生徒って、バカになり切れてないっていうか、変に優等生というか、失敗を恐れるマインドっていうのがあって、何かこう突き抜けられない感じがあるかなと。だから、ラグビーもチャレンジしないで、無難に無難にっていうマインドになりやすい。でも、『そうじゃないよ、いっぱいミスしてもいいんだよ。ミスを恐れて消極的なプレーをしたら、厳しく怒るよ』って、僕は言い続けてきたんです」

ラグビー部員たちが自ら課題を見つけ出すように導く三宅監督ラグビー部員たちが自ら課題を見つけ出すように導く三宅監督
 確かに、この日の練習でも三宅先生が練習のポイントを伝えた後、ラグビー部員たちは自分たちでその意味を考え、自分たちでチームメイト同士がコミュニケーションを取り、自分たちで最善のプレーを見つけながら練習を繰り返していた。

 そうした三宅先生の想いがラグビー部員たちにも伝わり、血や肉や骨になっていった結果が、今回の花園出場になったのだろうか。

 この点について、今度は逆に、三宅先生の指導を受けるラグビー部員たちをまとめるキャプテンの松永拓実君(3年)に聞いてみた。

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