2019.12.22

松島幸太朗も果たせなかった夢。
桐蔭学園、初の花園単独優勝なるか

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 悲願の単独初優勝へ――。

 12月27日に幕を開ける「花園」全国高校ラグビーフットボール大会に向けてそう意気込むのが、日本代表WTB(ウィング)松島幸太朗(サントリー)の母校としても有名な桐蔭学園(神奈川)である。

伊藤大佑は桐蔭学園を初の単独優勝に導けるか 昨年度の花園では、決勝で大阪桐蔭(大阪)に惜敗して涙を呑んだ。だが、今シーズンの桐蔭学園はひと味違う。

 春の選抜大会で史上2校目の3連覇を達成し、サニックスワールドユースでは過去最高の3位入賞。夏の7人制ラグビー「アシックスカップ」も制した。そしてシーズンを締めくくる花園では、史上3校目となる「高校3冠」を狙っている。

 そんな無類の強さを発揮している桐蔭学園を引っ張っているのが、キャプテンのSO(スタンドオフ)伊藤大佑(3年)だ。ランとタックルに長けた選手で、1年生からレギュラーとしてFB(フルバック)やアウトサイドCTB(センター)でプレーしてきた。

 今シーズン、藤原秀之監督は決断する。「ディフェンスもできるし、これだけランのできるSOは日本にはいない。世界を見据えてやるならSOのほうがいい」。伊藤を10番にコンバートした。

 11月に行なわれた東海大相模との神奈川県予選決勝でも、伊藤はSOとして成長した姿を見せた。「相手の嫌なところに(キックを)蹴っていましたね」。藤原監督が好評価を与えていたように、伊藤は38-14でチームを勝利に導き、5年連続18回目となる全国大会への出場を決めた。

「まだまだSOとして成長できる面はあります。キャプテンとして、SOとして熱くなりすぎず、コントロールすることが大切だと思っています」

 花園行きを決めても、伊藤は気を緩めずさらに引き締めていた。

 伊藤は福岡県東久留米市出身。大阪体育大でプレーしていた父や兄の影響で、6歳からりんどうヤングラガーズで競技を始めた。ラグビーと同時に柔道も習い、小学校3年時には軽量級で九州王者になるほどの腕前だった。

「受け身や身のこなし、低い姿勢など、柔道の経験は今にも生きています。ただ、ラグビーのコーチのほうが優しかった(苦笑)」