2019.12.23

明治大がまさかの展開で大苦戦。
主将が明かすスクラムで押された理由

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 王者の明大が苦しんだ。自慢の強力フォワード(FW)が劣勢に回りながらも、関西学院大を22-14で何とか下した。試合後、明大HO(フッカー)の武井日向(ひなた)主将は疲れ切った顔に安ど感を漂わせた。

主将としてチームを鼓舞した武井日向「ほんと、勝ち切れたことがよかったかなと。関西学院さん、シンプルに強いなと感じました。大きな経験になったと思います」

『Ruthless(ルースレス)』。容赦しない、冷酷な。

 これが明大のゲームスローガンだった。武井主将が説明する。「明治のスタンダードをしっかり示して圧倒するイメージでした」と。だが、逆に関学大の圧力に押され、ゲームの主導権を握れなかった。

 武井主将は声を落とした。「ルースレス、なれなかったと思います」

 21日の東京・秩父宮ラグビー場。前半10分。約1万3千人の観客で埋まったスタンドがどよめいた。明大ゴールライン前の窮地での関学大ボールのスクラム。ぐいぐい押し込まれ、コラプシング(故意に崩す行為)の反則のアドバンテージをとられたまま、バックスに回されて関学大CTB(センター)の山本悠大にポスト下に走り込まれた。

 ゴールも蹴り込まれ、5-7と逆転された。明大がスクラムでやられた。その後の前半17分の関学大ボールのスクラムも、前半26分の明大ボールのスクラムも、立て続けにコラプシングの反則をとられた。相手3番(右PR=プロップ)に内側に押し込まれ、明大1番(左PR)の安昌豪(あん・ちゃんほ)側が落ちたように見えた。

 明大FWが3連続コラプシングとは…。信じられないスクラムの光景だった。確かに関学大のFWは低くて8人がまとまっていた。押す方向もガチッと一致していた。だが明大は組み負け、とくにフロントロー(PRとHO)が窮屈な姿勢をとらざるをえなかった。これでは押される。

 スクラムをリードするHO武井主将が冷静に述懐する。

「関西の組み方というか、関東では経験できない組み方だったと思います。低くまとまってきた相手に対し、自分たちはバラバラに組んでしまった。各々が違う方向に組んでしまっていました。方向を統一してまとまることを意識して、徐々にいいカタチに修正してはいったんですが」

 関西の組み方とは、要は基本に忠実、早くて低いセットからの鋭いヒット、8人結束のねちっこい押しか。だが、明大FWも意地を見せた。前半の終盤。ゴール前5mラインアウトからドライビングモールを組み、スローワーの武井主将がそのモールの後ろに付いて、FWをうまくコントロールした。

 時計回りに動かす格好でなだれ込み、武井主将が左隅にトライした。ゴールも決まって12-7と逆転した。「全員でモールを押し込む意識がありました」と主将は言い切った。

「今年1年、そこ(モール)はこだわって練習してきたところだったので。全員、自信を持っていた。そこで、1個(のトライ)をとれてよかったなと思いました」