ラグビー日本代表の司令塔に
「平尾誠二2世」がメラメラ燃えている! (2ページ目)
相手がシンビン(10分間の途中退場)で数的有利となったラストプレー、2万人を超えるファンが「ジャパン!ジャパン!」の声援を送るなか、松田は先陣を切って逆転を目指した。しかし、SH流大(ながれ・ゆたか)からのパスが前に流れたことで松田はボールを後ろにそらしてしまい、そのまま22-25でノーサイドとなった。
「平尾さんを記念する試合に出られてうれしかったですが、勝利で飾ることができずに悔しかった。勝てる試合を落とした」(松田)
松田は反省を口にしたが、彼を筆頭とするベンチメンバーが試合の流れを変えたことは間違いない。試合後、ジョセフHCも「前回の試合は田村が桜のジャージーを着たなかで過去最高のパフォーマンスを示したが、今回は違うものになった。松田やCTB中村(亮土)を入れてゲームのテンポを上げることができ、スペースに対してもアタックができた。彼らがチームを立て直すところまで引っ張ってくれた」と賛辞を送った。
2015年W杯後、司令塔のポジションは田村がリーダーシップを発揮し、レギュラーとしてチームを引っ張っている。だが、2019年W杯のことを考えると、ひとりでは戦えないのも事実だ。そこで2016年秋にジョセフHCが就任すると、ニュージーランド出身の指揮官は2016年6月にFB(フルバック)として初キャップを獲得し、帝京大学時代はSOとして8連覇に貢献した松田を重用するようになった。
若手で臨んだ昨春のアジア選手権でも、ジョセフHCは松田を積極的に10番として起用。6月のアイルランド代表戦、さらにはサンウルブズにも追加招集し、国際舞台での経験を積ませてきた。
ところが昨秋、オーストラリア代表戦ではミスが目立ち、30-66で大敗した原因のキッカケとなってしまう。試合後、松田は「経験やゲームコントロールも含めて、まだまだチームをまとめることができていなかった」と肩を落とした。
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