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ラグビー日本代表の司令塔に「平尾誠二2世」がメラメラ燃えている!

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

「平尾2世」と呼ばれてきた司令塔が、劣勢のなかで輝きを見せた。

 6月16日、ラグビー日本代表はノエビアスタジアム神戸でイタリア代表とのテストマッチ(結果が世界ランキングに反映され、試合に出場すると選手にキャップが与えられる国際試合)第2戦を行なった。

新たな司令塔として期待を寄せられているSO松田力也新たな司令塔として期待を寄せられているSO松田力也 6月9日の初戦は日本代表が会心の試合運びを見せ、34-17のダブルスコアで快勝。第2戦も勝利し、来年のラグビーワールドカップへ弾みをつけたかった。だが、第2戦は22-25で惜敗。史上初となる「ティア1(世界強豪10チーム)」からの連勝はならなかった。

 前半からイタリア代表のFWにプレッシャーを受ける苦しい展開が続き、後半5分の時点で3-19と大きくリードを許してしまう。そこで日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は19分過ぎ、調子の上がらなかったSO(スタンドオフ)田村優に替わって24歳の松田力也をピッチに送り出した。

 神戸で史上初のテストマッチとなった今試合は、日本代表や神戸製鋼で活躍し、2016年10月に亡くなった「ミスターラグビー」こと平尾誠二さんを偲び、「平尾誠二メモリアルマッチ」として開催。京都の陶化中(とうか/現・凌風学園)→伏見工(現・京都工学院)の後輩で、高校時代から「平尾2世」との呼び声の高かった松田が燃えないはずがなかった。

 出場してすぐの20分、松田はファーストプレーでいきなり魅せる。FWがモールを押し込んだ後、松田は「外に大きなスペースがあることはわかっていたので、パスかキックかというところで(パスで)空いていた選手を選択しました」と冷静に判断。CTB(センター)ウィリアム・トゥポウのトライを演出し、自身もゴールを決めた。

 その後も、松田は相手にタックルを受けながらもしっかりとパスをさばいてチームを動かし、計2トライに貢献。「残り時間は十分あったので追いつけると思っていました。ボールをキープしてアタックし、スペースがあれば蹴って、全員が同じ画を見ることができていた」(松田)と振り返るなど、司令塔としてチームを最後まで牽引した。

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