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ラグビー男子セブンズ、「世界」に再昇格。
五輪メダルへ望みをつなぐ (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 谷本結利●撮影 photo by Tanimoto Yuuri

 2009年に7人制ラグビーがリオ五輪からオリンピック種目になると決まってから、世界のレベルは急激な進歩を遂げている。今季のワールドシリーズを見ても、リオ五輪で金メダルを獲得したフィジーや南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどラグビー強豪国だけが上位を占めるのではなく、アメリカやアルゼンチン、さらにはケニアなども好成績を残しているのだ。

 また、昇格大会のレベルも以前と比べて上がっているという。プレー経験豊富な橋野皓介は今回の香港での試合を振り返り、「(2年前は)強いチームは1~2チームでしたが、今年は4~5チームだった」と語っていた。

 そんな状況のなか、日本はどうやってコアチーム昇格大会で優勝できたのか――。橋野は、大会初日のチリ戦で敗北を喫したことが大きかったという。「逆にチリに負けてよかった。勝っていたら危機感が出なかった。負けたことで自分たちを見つめ直せました」(橋野)

 チリ戦ではチームで決めたことを無視し、ボールを継続せずにひとりでアタックを仕掛けたり、無理にパスをつないで失敗したシーンが目立った。また、沖縄合宿から一番焦点を当ててきたディフェンスでも、7人一体となって守ることができていなかった。

 しかし、チリ戦後に選手同士がミーティングをした結果、2日目のウガンダ戦、ウルグアイ戦に続けて勝利。3日目の準決勝は難敵アイルランドとの対決となったが、この試合でも組織的なディフェンスで相手を1トライに抑え、後半のラストプレーでトライを奪って逆転勝利を収めた。

 そして決勝戦の相手は、昨年あと一歩でコアチーム昇格を逃し、今年は南アフリカからコーチを招聘して強化を図ってきたドイツ。昨年はスペインに決勝で負けて涙を飲んだだけに、ドイツもリベンジに燃えていた。

 前半、日本は相手選手の退出で数的有利になりながらも逆にトライを奪われ、5-14で折り返す展開となる。優勝するためには、後半の7分間で2トライを挙げなければいけない。だが、ダミアン・カラウナ・ヘッドコーチが「ワールドシリーズ経験者のいることが強み」と言っていたように、劣勢に追い込まれた状況で日本はその経験が生きた。

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