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大学ラグビー8連覇を狙う帝京大、
迎える早稲田戦に死角はあるか (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke


 松田は、過日53歳で急逝した平尾誠二さんと同じ中学(京都市陶化中)、高校(京都・伏見工)である。いわば日本代表として活躍するラグビー選手の王道。

「中学、高校の大先輩ですし、直接お話を聞いたこともあります。オーラがあるというか、すごくオトコマエの方で...。(訃報に)びっくりしました。ショックでした」

 松田は映像で平尾さんのプレーを何度か見たことがあるそうだ。華麗で、クレバーなプレーヤーだった平尾さんは、松田にとって、あこがれの存在でもある。

「同じ中学、高校なので、周りからは、(平尾さんと)だぶらされて見られてきましたけど、それに負けないよう、自分はしっかり、成長していきたいと思います。誰に聞いても、"平尾さんはすごかった"と言いますし、そういう風に言われるプレーヤーになりたい」

 日本ラグビーにおいて、「7連覇」は特別な意味を持つ数字である。平尾さんは神戸製鋼の7連覇に貢献した。8連覇を達成すれば、あらたな歴史を創ることになる。それにしても毎年、選手ががらりと変わる大学ラグビーでこれほど連覇を積み重ねるとは。

 8連覇の8とは? そう聞けば、松田は背筋を伸ばした。両手でペットボトルをぎゅっと握りしめた。

「先輩方に築き上げていただいたものに、自分たちがよりいいものを上乗せしていけるのが、8という数字だと思います。自分たちの力を最大限出すことがいい結果につながると信じています」

『挑戦』

 これが、学生たちが考えた今季のテーマである。対峙する相手とともに、8連覇の重圧とも戦わないといけない。これといったライバル校不在はむしろ不幸ではあるのだが、だからこそ、何より己に挑み、己に克たねばならない。慢心が最大の敵となる。

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