【ラグビー】主将を歴任した廣瀬俊朗が
「キャプテンシー」を語る (2ページ目)
――廣瀬さんは中学校、高校、慶應大学、東芝でキャプテンを務め、日本代表でも2012年から2年間、チームの主将に任命されました。学生時代と社会人で「キャプテンシー」に変化はありましたか?
廣瀬 むちゃくちゃありましたね。学生時代は、「選手としても自分が一番うまい」というバックグラウンドがあって意見をしていました。しかし社会人では、チームのなかに自分よりうまい人や年上の人がいるので、学生時代とベースのところが違う。だから、「自分らしさを追求するところ」が一番大事だと思いましたし、そのなかで周りの人を尊敬し、みんなの意見を聞くところが身についたと思います。
――2007年、廣瀬さんは前年まで3連覇していたチームを引き継いで東芝のキャプテンになりました。そのシーズンは優勝できなかったですが、その後、東芝をトップリーグ優勝に導きました。
廣瀬 僕がキャプテンになる前年までの冨岡(鉄平/現・東芝監督)さんのリーダーシップが素晴らしかった。だから、チームのみんなもそれくらいを僕に求めていたし、僕自身も彼(の像)を追い求め過ぎたかなと思います。キャプテン1年目を終えてレビューをしたときにいろいろ言われて、2年目は「このままじゃダメだ」とチャレンジし、リーダーとして信頼を得ようと必死だったと思います。
そうして、自分のリーダー像が確立されたと思っています。自分ひとりの力は限られているから、裏表なく自然体で接して、みんなを尊敬する。みんなが参加したほうがうまくいく。また、言葉の大事さも感じました。プレー面では、試合でも練習でも、常に自分で先頭に立つことを心がけていました。自分のスタイルが確立されてからは、過度のストレスを感じなくなりましたね。
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