2016.03.23

引退した陰の主将・廣瀬俊朗が語る
「日本ラグビーに必要なもの」

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text&photo by Saito Kenji

廣瀬俊朗インタビュー@後編

 北野高校、慶応義塾大学、東芝ブレイブルーパス、そして日本代表と、各カテゴリーでキャプテンを務めてきた廣瀬俊朗(ひろせ・としあき)。30年間の現役生活にピリオドを打った今、彼はどんなビジョンを描いているのか。ジャージを脱いだ廣瀬氏に「日本ラグビーの未来」について聞いた。

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廣瀬俊朗は引退後のビジョンについても大いに語ってくれた――初めてラグビーワールドカップに参加して、何を感じましたか?

廣瀬俊朗(以下:廣瀬) ラグビーワールドカップは1日中楽しめるイベントで、「スポーツは改めて素晴らしい」と感じました。観客が楽しんでくれれば、また来てくれるようになります。日本ラグビーはまだまだ考えないといけないこと、やらなければいけないことがありますが、「夢と現実のバランス」も考慮しないといけない。そうしないと、何もできない、夢物語になってしまいます。

――そんな印象を抱いた今、引退後はまず何をやりたいと思っていますか?

廣瀬 「ラグビーの選手会」を立ち上げることですね。まだ選手のなかでも温度差がありますが、日本ラグビーのためにやるから、僕たちを信じてほしいと伝えています。2019年に日本で開催されるワールドカップまで時間はあるようでないから、できる限り早く立ち上げて、ラグビーの普及や選手の環境改善などに取り組んでいきたいです。

――具体的に「選手会を立ち上げたい」と思ったきっかけは何ですか?

廣瀬 昨年6月、選手たちがスーパーラグビーの日本チーム(サンウルブズ)と契約することになったことが一番の要因です。日本ラグビー協会も初めての経験だったので、「どういう過程でチームを作るか」という過程がうまくいっていなかった。そのしわ寄せが選手たちにきて、契約状況が良くないままでもサインをしてくれ、と言われてもできませんでした。選手は契約に関して素人だし、日本代表の合宿にも集中したかった。そのときに選手会があれば、契約のことを任すことができたけど、当時はなかったので、IRPA(International Rugby Players Association/ラグビー国際選手協会)にお願いしました。