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【ラグビー】帝京大7連覇達成! 揺るがないチームの「文化」

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 学生らしい光景だった。ラグビー場の隅で約150人の帝京大の部員の手によって、監督が7度、宙を舞った。みなが着た赤色の優勝Tシャツの背には白字で「7」。もちろん7連覇の偉業を誇示する数字である。

東海大を下し、大学選手権7連覇を達成した帝京大東海大を下し、大学選手権7連覇を達成した帝京大

 岩出雅之監督がやっと表情を緩める。

「ホッとしました」

 それはそうだ。社会人と違い、毎年メンバーが入れ替わる学生ラグビーで勝ち続けるのは難しい。なのにラグビー界の金字塔ともいえる7連覇を成し遂げた。そこに真摯にチャレンジし続けるチーム文化が見える。

 同監督はいつも、「連覇」に関する質問には言葉を濁し、学生にとっての1年ごとの勝負と成長を強調する。監督が言葉を続ける。

「久々に厳しい決勝戦でした。重みのあるゲームを体感できてうれしく思います。連覇は、先輩からのバトンの積み重ねなんで......。1年間、学生がいい目標を持って、きちっとした努力を積み上げてくれました」

 10日の全国大学選手権決勝(秩父宮ラグビー場)。帝京大はこの日、フッカー(HO)坂手淳史主将が左ひじ負傷でリザーブに回り、エースのフルバック(FB)森谷圭介も直前の練習による大ケガで欠場した。主力の不在と決勝戦という舞台が気負いにつながったのか、めずらしく反則、ミスを連発した。前半を5-5で折り返す。

 帝京大のモットーが、『エンジョイとチームワーク』である。ハーフタイム。岩出監督はロッカー室で「もっとゲームを素直に楽しんでこい」と言った。

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