【ラグビー】全勝で2冠。監督と選手が語る「サントリーの強さの正体」 (3ページ目)
もちろん個々の意識の高さだけではなかろう、スタッフや環境、コンディショニングも見逃せない。つまりは勝つためのクラブ文化。世界トップクラスの外国人選手が一流選手としての姿勢を示し、プレイや戦術をアドバイスする。時には一緒にビデオを見ながら。
2年連続のトップリーグMVPのスミスはこう、言った。
「サントリーの強さはカルチャー(文化)。選手の意識が高いけれど、クラブのマネジメントのコントロールも素晴らしい。トップもボトム(底)もサントリーを愛している」
大久保監督が独り言のように、つぶやく。
「誰が試合に出ても、サントリーのラグビーをする。20年後、30年後でも、アグレッシブにアタックして勝てるチームであってほしいと思います。それがサントリーのチームカルチャーです」
当然、チャンピオンチームは日本ラグビーをリードする使命を負う。日本代表のスタイルも意識し、世界に通用する選手を輩出していかなければならない。
まだ課題はある。今季、スクラム、ラインアウトは不安定だった。逆に言えば、まだまだ伸びしろは大きいことになる。
最後。胸に「HUNGRY」と白字で書かれた黒色Tシャツを着たロック真壁伸弥主将に聞いた。「満腹ですか?」と。
「いや。満腹感は、ない。まだまだやることはいっぱいあると思います」
高い志とどん欲な姿勢。進化するチームとはこうなのである。
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