2013.03.15

【ラグビー】藤田慶和、復活。「じん帯断裂の悪夢から学んだこと」

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

じん帯断裂の試練を乗り越え、夢に向かって再び走り始めた藤田慶和「ラグビーをできることが幸せです!」

開口一番、日本ラグビー界の未来を担う19歳は、復帰の喜びを露(あらわ)にした。

 3月8日から1ヵ月間、ラグビー日本代表の予備軍『ジュニア・ジャパン』は、オーストラリアとニュージーランドに遠征し、スーパーラグビーチームの下部組織と強化試合を行なっている。その将来の代表候補メンバーに、ケガから復帰したばかりの藤田慶和(早稲田大1年)が選出された。

 東福岡高校時代、藤田は『花園』こと全国高校ラグビーで3連覇を達成。7人制日本代表に選ばれ、世界大会を経験した。さらに2012年春、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が就任した15人制の日本代表にも選出。そして5月5日のUAE戦、史上最年少記録を更新する18歳7ヵ月で出場し、同時に6トライを挙げるというセンセーショナルなデビューを果たした。

 だが、前途洋々の青年に、一転して悪夢が訪れる。初キャップからわずか3週間後の5月27日、進学した早稲田大学でのデビュー試合で、左ひざじん帯を断裂するという大ケガを負ったのである。

――ケガをしたときの状況を振り返ってもらえますか?

藤田 ケガをした瞬間はひどいと思わなかったんですが、診察結果を見て、「あぁ……」と。日本代表で1試合だけ出られましたが、その後は出場できなくて、(早稲田大でのデビュー戦は)プレイしたくてちょっとうずうずしていました。振り返れば、疲れが溜まっていたんだと思います。しかし、気持ちが先行して止められず、自分の身体と向き合えていなかった。悔いが残っています。

――手術後の心境は?

藤田 相当、不安でしたね。自分の周りにひざの前十字じん帯を切って、良くなった選手がいなかったので。スピードが戻らなかったら、持ち味をなくしてしまうかも……と。私生活も含めて、全部マイナスに考えてしまいました。