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【ラグビー】藤田慶和、復活。「じん帯断裂の悪夢から学んだこと」

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

じん帯断裂の試練を乗り越え、夢に向かって再び走り始めた藤田慶和じん帯断裂の試練を乗り越え、夢に向かって再び走り始めた藤田慶和「ラグビーをできることが幸せです!」

開口一番、日本ラグビー界の未来を担う19歳は、復帰の喜びを露(あらわ)にした。

 3月8日から1ヵ月間、ラグビー日本代表の予備軍『ジュニア・ジャパン』は、オーストラリアとニュージーランドに遠征し、スーパーラグビーチームの下部組織と強化試合を行なっている。その将来の代表候補メンバーに、ケガから復帰したばかりの藤田慶和(早稲田大1年)が選出された。

 東福岡高校時代、藤田は『花園』こと全国高校ラグビーで3連覇を達成。7人制日本代表に選ばれ、世界大会を経験した。さらに2012年春、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が就任した15人制の日本代表にも選出。そして5月5日のUAE戦、史上最年少記録を更新する18歳7ヵ月で出場し、同時に6トライを挙げるというセンセーショナルなデビューを果たした。

 だが、前途洋々の青年に、一転して悪夢が訪れる。初キャップからわずか3週間後の5月27日、進学した早稲田大学でのデビュー試合で、左ひざじん帯を断裂するという大ケガを負ったのである。

――ケガをしたときの状況を振り返ってもらえますか?

藤田 ケガをした瞬間はひどいと思わなかったんですが、診察結果を見て、「あぁ......」と。日本代表で1試合だけ出られましたが、その後は出場できなくて、(早稲田大でのデビュー戦は)プレイしたくてちょっとうずうずしていました。振り返れば、疲れが溜まっていたんだと思います。しかし、気持ちが先行して止められず、自分の身体と向き合えていなかった。悔いが残っています。

――手術後の心境は?

藤田 相当、不安でしたね。自分の周りにひざの前十字じん帯を切って、良くなった選手がいなかったので。スピードが戻らなかったら、持ち味をなくしてしまうかも......と。私生活も含めて、全部マイナスに考えてしまいました。

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