2013.02.25

【ラグビー】全勝で2冠。
監督と選手が語る「サントリーの強さの正体」

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

全勝で2季連続2冠を達成したサントリー ここぞという時に確実に球をつなぐサントリーと、パスを乱す神戸製鋼。つまりは精度の差。さらに言えば、フィジカルとスキル、ディシプリン(規律)の差だった。

 強い寒風が吹きすさぶ中、ノーサイドの笛が鳴る。サントリーはフィールドで円陣を組み、人差し指を突き上げてジャンプした。全員で、今季のチームスローガンを叫びながら。

「ビー・ハングリー(どん欲であれ)」

 1年間のハードトレーニングの賜物だろう。常に勝つことのみ、その一点にフォーカスする。よき準備をする。その意識の高さを目の当たりにすれば、サントリーの『黄金時代』の到来すら感じてしまう。

 日本選手権V3。史上初の17戦全勝による2年連続の2冠達成だ。日本代表のヘッドコーチに就任したエディー・ジョーンズの後を継いだ大久保直弥監督が静かに笑っている。

「エディーが抜けてダメになったと言われたくない危機感がチームにありました。もう勝ち続けるしかなかった。クラブの力が結実した。一人ひとりのレベルが上がり、チームとして進化することができました」

 2月24日の日曜日。国立競技場。シーズンを締めくくる決勝としては、スタンド(観客1万4千人)は寂しかったけれど、ゲームの質そのものは高かった。

 サントリーはコイントスに勝ち、風上の陣地をとった。苦しんだトップリーグ・プレイオフ準決勝の時とは逆である。『超攻撃ラグビー』を掲げる王者は、神鋼の勢いを封じるため、「先手必勝」にかけた。