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【ラグビー】ようやくつかんだ最高峰の舞台。
堀江翔太、26歳の挑戦 (4ページ目)

  • 向風見也●文 text by Mukai Fumiya
  • 井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

 そして2011年にはワールドカップに日本代表として出場。チームは3敗1分と1勝も上げることはできなかったが、堀江は持ち前の突破力とタックルで存在感を示した。2012年の春には三度ニュージーランド(オタゴ州)に渡り、チームメイトの田中とともにプレイする。そこでの活躍が認められ、ついにオタゴ州の代表としてITMカップ出場を果たした。

「アタックでもディフェンスでも、重心の低いプレイは通用する」

 定位置争いに苦しみつつも、手応えはつかんでいた。スーパー15のチームにも、自らの存在を売り込んだ。ITMカップ期間中の10月、ニュージーランドのチームのフッカー採用枠が埋まったと知ると、今度はオーストラリアのチームに接触。その思いが通じ、11月に念願のスーパー15、レベルズ(オーストラリア)入りが決まった。日本代表のヨーロッパ遠征期間中、エージェントから報せが入った。

「ホント、嬉しかったですよ。大学卒業してからずっと目指してたんで。(現在26歳と)年齢的にギリギリですけど、夢、目標にやっと手が届いた」

 11月27日、帰国して成田空港に降り立った堀江は次のように意気込みを語った。

「体が小さい中で選ばれたのは光栄。でも、試合に出ないと意味がないので。また次の目標に向かって頑張らなアカンと思います」

 挑戦しては何度も跳ね返された過去の経験をどう捉えているのだろうか。

「今になれば、(あの経験も)あってよかったと思うんですけど、あの時はむちゃくちゃしんどかったです」

 今後はパナソニックに籍を置きながら、来年2月下旬のスーパー15開幕に先立ちオーストラリア入りする予定だという。

「まだ細かい調整はできてないんですけど、パナソニックとレベルズ、両方にハッピーなことになるといいよね。日本ラグビーのためにも」

 世界トップクラスの経験を、どのような形で日本ラグビー界に生かしてくれるのか。最高峰の戦いに挑む堀江のプレイに注目が集まる。

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