【ラグビー】14年ぶりの優勝。吉田義人監督はこうして明治を復活させた
記念すべき100回目の早明戦を勝利で飾った明治大学 12月2日。100回目の早明戦を飾るにふさわしい、劇的な幕切れだった。「明治復活」。冬空の国立競技場に紫紺のジャージのオトコたちの雄叫びがあがった。
ロスタイム。ラストワンプレイで明治のロック古屋直樹がポスト下に飛びこんだ。ゴールも決まった。33-32。ついに13点差を跳ね返し、逆転した。
観客3万2千人。その圧倒的多数の明治ファンの歓声が爆発する。無数の紫紺の小旗が揺れる。早明戦の連敗を3で止め、帝京大、筑波大と並び、関東対抗戦3校同時優勝となった。14年ぶりの優勝だった。
かつての名WTB、43歳の吉田義人監督が泣いている。就任4年目で初の早明戦勝利、対抗戦制覇。
「しびれたなあ、今日は。感激した。選手たちが心の底から喜ぶ顔を見たら......つい、ぐっときて」
どん底の状況で監督を引き受け、きっちり完全復活の道筋をつけた。明治は「前へ」にこだわり、とくにFWがゴール前で怒とうの攻めを繰り返した。スクラム。モール。突進に次ぐ突進。これでもか、これでもか、と。吉田監督の言葉に実感が込もる。
「明治のプライド、矜持を取り戻すことができました」
明治の矜持とは、「前へ」ということである。正々堂々と真っ向勝負。逃げない。ひるまない。あえて勝因を探せば、「我慢」だった。辛抱して、明治らしさに徹した。
明治は2週間前、帝京大に大敗した。後半中盤の20-33から一気に崩れた。でも、この日の早稲田戦では同じような時間帯の19-32から逆転したのだった。
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