【ラグビー】欧州遠征25連敗から2連勝。エディー・ジャパンが示した成長

  • 斉藤健仁●文・撮影 text & photo by Saito Kenji

小野晃征のドロップゴールでグルジア戦に勝利し、歓喜するフィフティーン小野晃征のドロップゴールでグルジア戦に勝利し、歓喜するフィフティーン ラグビー日本代表が、歴史的一歩を刻んだ――。

 6月と11月、ラグビー界は世界的に国内リーグ戦を行わず、国同士のテストマッチをスケジュールに組み込む期間である。そのタイミングを利用して日本も、この11月、15日間かけて欧州遠征を敢行。ヨーロッパ強豪国とのテストマッチに挑んだ。

 今回の遠征まで日本は、アウェーの地でヨーロッパのチームに25連敗中だった。前回の欧州遠征は、8年前の2004年。スコットランドに8-100、ルーマニアに10-25、ウェールズに0-98と惨敗し、日本は欧州での評価を大きく落としていた。

 そんな歴史において、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)率いる日本代表『エディー・ジャパン』は、11月10日、欧州遠征初戦となるルーマニア戦を34-23で勝利。日本ラグビー界史上初めて、アウェーで欧州国相手に白星を飾ったのである。さらに11月17日、第2戦目となるグジルア戦でも、ロスタイムにSO小野晃征がドロップゴールを決め、25-22で奇跡の大逆転。日本は『欧州遠征2連勝』という快挙を成し遂げ、会場に詰め掛けた16000人もの地元ラグビーファンを驚愕させた。

 ルーマニアやグルジアは過去、日本で試合を行なったことはあるものの、中心選手の多くは来日しなかった。ただ今回は、彼らにとってホーム。伝統的にFWの強い両国は、フランスやウェールズのプロリーグに所属しているトップ選手を招集し、一軍メンバーで日本戦に挑んだ。いかにこの2連勝が、価値あるものかがうかがえる。

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