【ラグビー】欧州遠征25連敗から2連勝。
エディー・ジャパンが示した成長 (2ページ目)
欧州遠征に挑む5カ月前、日本は非常に悔しい思いを味わっていた。6月に行なわれたIRBパシフィック・ネーションズカップでフィジー、トンガ、サモアに3連敗を喫したのである。「世界一のフィットネス」と「アタッキングラグビー」を掲げて今年4月に就任したジョーンズHCは、2015年W杯までに世界のトップ10に入るべく、就任直後から激しいトレーニングを積み重ねてきた。「世界で一番早くから練習しているチーム」(ジョーンズHC)の言葉どおり、日本代表メンバーは朝の6時からトレーニングに励み、3部練習も当たり前の光景となった。
しかし、格上相手とはいえ、まさかの3連敗。ジョーンズHCは「良い準備をさせられなかった。自分の責任だ」と反省の弁を残し、「あの試合から学んだことを、しっかりと欧州遠征で出したい」と、今遠征でのリベンジを誓った。
そしてジョーンズHCは欧州遠征に向けて、今度は徹底した準備を行なった。7月には長野県・菅平高原で、5日間の日本代表合宿を実施。強力なFWで勝負してくる欧州チームに備え、自陣からキックで脱出する練習を繰り返した。さらに、遠征直前にも元フランス代表選手をスクラムの臨時コーチに招聘したり、総合格闘家の髙阪剛氏をタックルコーチとして呼び、低くて強いタックルができる体勢などを学んだ。
そんな準備を経て迎えたのが、今回の欧州遠征だった。成果は勝利だけではない。前半のロスタイムや後半終了間際など、試合の一番厳しい時間帯になっても、最後までフィットネスは落ちず、ジョーンズHCの掲げる「アタッキングラグビー」が貫けていた。これまで日本に見られなかった『チームの軸』を、エディー・ジャパンは明確に示したのである。
グルジア戦に勝利した後、廣瀬俊朗主将はこう語った。
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