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【ラグビー】文句なしの金字塔。3連覇を達成した帝京大のブレない「型」とは (2ページ目)

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke


 記者会見。スタイルに関する質問に対し、岩出監督は気色ばんだ。
「ボールを動かす意図は持っていました。我々はスタイルを競っているのではなく、勝負をしているのです」

 帝京大の『型』はブレない。

 彼我の戦力差を生かし、まずは強力FWで押していく。FW8人の平均の身長差は10cm、体重差が8キロ。トータルすると、ざっと60キロである。

 実はSO森田は肩や足首、腕などのケガをおしての出場だった。岩出監督は試合前、FWに檄を飛ばした。「これまでチームを引っ張ってきた森田にラクをさせるため、まずはFWからガツガツ前に出ろ」と。

 風下の前半。帝京大FWはキックオフのボールを自陣でとると、モールをがちっと組んでぐりぐり押し込んだ。

 20~30m前に出る。FWのかじ取り役のSH滑川剛人はほくそ笑んだ。
「試合前から最初は絶対、モールでいこうと決めていました。FWがどこまでいけるか。あれで、今日はイケルと思いました」

 あとは赤いジャージの固まりが黒色ジャージの天理大を圧倒する。特質すべきは、経験値ゆえの修正能力である。

 1本目のスクラムは組み負けた。だがフッカー白隆尚を軸にFWはバインディングと構えを工夫し、ヒット勝負に出た。より8人の結束の意識を高めた。

 白隆尚が言う。
「まずスクラムで先手をとることにこだわった。レフリーの声とのタイミングも合ってきて、FWから相手を崩せました。相田さんがスクラムに理解がある人でよかった」

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