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【ラグビー】文句なしの金字塔。3連覇を達成した帝京大のブレない「型」とは (4ページ目)

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

 バックスとて同じである。この3年間、共通した強さを聞けば、SH滑川は即答した。
「しっかりした身体。ディフェンスを全員が必死でいくことだと思います」

 なるほど、この日も、天理大バックスにラインをブレイクされても、全員で戻ってタックルにいった。後退してのブレイクダウンでも素早く集まって相手にプレッシャーをかけ返した。すなわち最後まで崩されなかったのだ。

 3連覇は文句なしの金字塔である。

 しかし王者は、だからこそ大学ラグビーをリードし、次の日本代表選手を輩出する使命を持つ。少し酷な言い方であるけれど、この日の帝京大の戦いぶりはジャパンの目指すスタイルとは異なるところにある。むしろバックスの素早い展開で勝負していく天理大の方がジャパンのそれとは合致している。

 この日のスタンドは1万5千にも届かない寂しいものだった。王者にはラグビー人気の担い手として観客を興奮させることも求められるだろう。

 岩出監督は言った。
「年々、戦術の幅を広げていきたい。周りの期待に応えられるよう、チャレンジを続けていきたい」

 昨年度の山を超えた先には3連覇があった。今年度の大きな山を超えた先にはどんなラグビーが待っているのか。願わくば、ジャパンにつながるスタイルでの優勝も見てみたい。

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