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ワールドカップに挑むフットサル女子日本代表・松本直美の原点 長友佑都のプレーに共感 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【「なでしこジャパンに入りたい」】

「さっかー、たのしそう!あしでけるの、たのしそう!」

 当時5歳だった松本は、6歳上の兄がサッカーをする姿を見ながら、自分もやりたい衝動を抑えきれなくなったという。

「兄の試合があると、端っこでちょこちょことボールを蹴っていて。内気な性格でしたが、母親に『やりたい』って伝えて。男の子のなかに混じって女の子ひとりで、最初は"ボールを触れなくて悔しい"っていうだけでしたね。『ボール、全然触れなかったよ』って母親にこぼしていたようで......。でも、負けず嫌いな気持ちが芽生えて、取られたら取り返しに行く気持ちでやっていたら、楽しくなってきました」

 サッカーはチームメイトやライバルがのめり込む源泉となるスポーツだが、松本にも同じチームの幼馴染の男の子の存在があった。家族ぐるみの付き合いで、どこに行くのも一緒、サッカーの試合も一緒に見にいった。その少年の存在は大きかったようだ。

「通っていた少年団のチームで、小学校3年生のときにリフティングの宿題があって。幼馴染の子とは切磋琢磨じゃないけど、一緒に練習したのを覚えています」

 松本は言う。それは大袈裟に言えば、彼女のサッカーの原点だ。

「幼馴染の子はチームでいちばんうまくて、リフティングもすごく上手で。私はそれに負けないように、って、学校が終わって放課後に公園へ一緒に行って、リフティングを練習して......。たしか、小さい円の中でリフティングを続ける課題で、回数は覚えていないんですけど、課題をクリアできたんです! 練習してやっとできたのが、すごくうれしかった」

 小学校を卒業後、中学からはジェフ千葉の女子チーム(レディースU-15)に入った。同じ年代の女の子といると、自然と楽しかったという。

「なでしこジャパンに入りたい」

 それは漠然とした夢になっていた。選手としてはサイドハーフ、もしくはサイドバックを担うことが多かったという。日本代表・長友佑都(FC東京)のゴリゴリとしたプレーに憧れ、プレースタイルに共感したという。

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