なぜ元アマ横綱がNFLに挑戦? 花田秀虎21歳「目標は千代の富士関。もっと体をバキバキに鍛えなきゃ」 (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by Kyodo News

── 子どものころから体は大きかったのですか?

「いえ。身長はそれなりに高かったし、素質もそれなりにあったかもしれないですけど、体格はほかの子たちと変わらなかったです。体はその後、だいぶ頑張って大きくしました」

── いろんな競技をするなかで、相撲一本に絞ったのはいつですか?

「小学校6年のタイミングで、レスリング、柔道、相撲の3つの選択肢からどの競技に絞ろうかとなったんです。僕的には相撲が一番面白くて、自分が一番光るんじゃないかと考えて、相撲をやることに決めました」

── 相撲を離れてアメフトに挑戦することに関して、両親からは何か言われました?

「両親も本当に大賛成といった感じで、反対はまったくなかったです。むしろ、いろんなものを見て、経験して、勉強して、という感じでした」

── 第66代横綱・若乃花の花田虎上(まさる)さんも昔、アメフトに挑戦しています。名字が同じなので親戚ではないかと言われませんか?

「はい、よく言われますね」

── 花田虎上さんの場合は角界を引退してからアメフトに挑戦したので、花田選手とは状況が違いますよね。

「本当にすごいと思います。尊敬しますね。横綱になってから違う競技するのって、イチからというかゼロからなので。横綱という位(くらい)から別の競技に、フラットなところから始められた。そういうマインドはすごいなと思います」

── 花田選手も相撲で将来を嘱望された方です。将来的にまた相撲に戻ることは考えていますか?

「考えていないですね。僕の今の気持ちは、アメフトでやりきることです」

   ※   ※   ※   ※   ※

 アメフトには攻守さまざまなポジションがあり、選手の体の大きさや身体能力等の適正によって、それぞれ役割が異なっている。

 現在、花田が担っているのは「ディフェンシブタックル」という、相手の攻撃に対峙する最前線に位置取るポジションだ。当たりの強さと敵の司令塔・クォーターバックへ突進する動きなどが求められる。

 昨シーズン、スーパーボウルを制覇したロサンゼルス・ラムズのディフェンシブタックルで、これまで3度リーグの最優秀守備選手賞(NFL史上最多タイ)を受賞しているアーロン・ドナルド(31歳)が彼の憧れだ。

   ※   ※   ※   ※   ※

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る