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圧倒的強さ。水谷隼が2年目のTリーグ開幕戦でチームを勝利に導く (4ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • photo by AFLO

 そしてマッチカウント2-2で迎えた最後のビクトリーマッチ。この試合はわずか1ゲームで勝敗を決するルールだ。木下は第2マッチで圧勝した水谷、岡山からは上田が登場。両チームのキャプテン同士の対決となった。大事な一戦が始まる直前、水谷はあることに気づく。

「彼(上田)の手が震えていたので、自分より緊張しているな、と」

 そう感じた水谷は、序盤から一気に流れを引き寄せるべく、何度も強烈なドライブを叩き込む。5-1で前半を折り返し、そこから上田の巻き返しで5-4とされるが、粘り強いプレーで再び水谷がリードを広げる。最後は上田のミスでマッチポイントを飾りビクトリーマッチを勝利。見事、開幕戦を白星に導いた。

 2戦とも圧倒的な実力差を見せて、勝利した水谷。試合後の会見では「今日は楽しみながらやれていて、やりがいもあった。多くの観客の前で、声援も大きくて、すごく刺激になった」と感想を述べ、「自分たちがもっといいプレーをして、Tリーグを盛り上げていきたい」と意気込みを語った。

 また、来年の東京五輪に向けて「トレーナーと一緒にハードなトレーニングを積んでいて、体のキレはジャパンオープンの時よりもいい。シャトルランは今までで一番いい記録が出た(笑)」と状態の良さをアピール。続けて「東京五輪にはうちのチームから3人が出る可能性が非常に高い。(張本と丹羽と一緒に)メダルを獲得したい」と木下の3枚看板で表彰台に立つことを目標に掲げた。

 開幕戦にふさわしい大接戦でスタートした2年目のTリーグ。五輪代表候補の対戦など、今シーズンならではの見どころは多数ある。その中で、水谷ら注目選手がどれだけリーグを盛り上げていくのか。話はまだ早いが、今シーズン以降のTリーグの継続・発展には、彼らの活躍は欠かせない要素となってくる。シーズン終了まで、一球一打、見逃さずに注目していきたい。

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