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圧倒的強さ。水谷隼が2年目のTリーグ開幕戦でチームを勝利に導く (3ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • photo by AFLO

 マッチカウント2-1で勝利に王手をかけた木下は、ここでエースの張本を登場させ一気に試合を決めにかかる。しかし、そこに待ったをかけたのが、ダブルスで初戦を取ったペアの一角、森薗だった。

 1ゲーム目は森薗がダブルスでの勢いそのままに、張本を攻め立てる。躍動感のあるフットワークに、思い切った両ハンドの攻めを見せ11-9で第1ゲームを奪った。だが、2ゲーム目は徐々に勢いづいてきた張本が積極的な攻めを見せる。打点の速いライジングドライブや強烈なフリックなどで6ポイントを連取するなど、11-7でゲームを取って1-1のタイに戻した。その後も一進一退の攻防が続き、森薗、張本がそれぞれ1ゲームずつを奪取。試合は、最終ゲームまでもつれ込む白熱の展開となった。

 カウント6-6から始まる最終ゲームは、なんとサービスエース2本で8-6と森薗がリード。そこから張本が巻き返して8-9と逆転にするも、すぐさま森薗が3連続ポイントを奪い、11-9で森薗に軍配が上がった。これが張本戦初白星だという森薗は、試合をこのように振り返った。

「久々に卓球が楽しく感じた(笑)。というのも、Tリーグ前にブルガリア、チェコと世界大会に行き、状態が悪い中でも自分なりに必死にやって、ある程度の結果は残した。でも、自分の卓球が一切変わっておらず、変化していかないと今後勝てないことをコーチの助言で気づかされた。僕自身、どうしたらいいのかわからず、自分の卓球に自信が持てなかったなか、今日の試合では勝つことができた。チキータだけに頼らず、フォアでレシーブすることを貫いて、新たなスタイルで結果を残せたことは、今後に生きてくると思う」

 その言葉どおり、レシーブやサーブで変化を見せた森薗の戦術に張本は対応できずにいた。これからはダブルスだけでなく、"シングルスの森薗"としての進化にも注目していきたい。

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