Tリーグ松下チェアマン、2年目の構想。
「今はまだベンチャー企業」 (4ページ目)
――まもなく2年目のシーズンを迎えますが、昨シーズンと同じように開幕でのサプライズ演出も期待していいのでしょうか?
「先日マレーシアで行なわれたT2ダイヤモンドを見て、衝撃を受けたんです。世界的なアーティストを使ったド派手な演出はもちろん、可動式の卓球台を照明でライトアップしたり、表彰式では床からスモークが噴き出すなど、これはすごいな、と思いました。こういったPRは卓球ファンだけではなく、新たな層にも訴求できるはずです。これについてはTリーグでも参考にしていきたい。例えば体育館の試合に関しては、全体にライトが届くように演出を工夫したりして、エンターテインメント性を改善していく予定です」
――最後に2年目のシーズンへ向けた抱負を教えて下さい。
「今シーズンは来場していただいたファンの満足度を高めるためにイベントの数を増やしていきます。10月にはソフトバンクが開催する復興支援の取り組み『SoftBank 東北絆CUP 2019』の競技種目に卓球を追加していただきました。地元の小中学生に参加してもらい、上位の子供達には選手と戦ってもらうような協力ができればと考えています。そういった社会貢献活動も今シーズンは増やしていきます。
正直、今のTリーグは一つを実現させても、次の課題が生まれてくる状況です。今はまだベンチャー企業でしかないと思っていますので、私の中では危機感しかないんですよ。2年目を迎え、昨シーズンとは違う厳しい側面で見られることも多くなると思いますが、新たな試みを積極的に仕掛けていきたいですね」
(松下浩二プロフィール)
まつした・こうじ 1967年8月28日生まれ。愛知県出身。1993年に日本人初のプロ選手になった卓球界のレジェンド。バルセロナからシドニーまで4大会連続でオリンピックに出場し、世界卓球選手権では1997年大会で男子ダブルス銅、2000年大会で男子団体銅を獲得。ドイツ・ブンデスリーガでもプレーした。2009年1月の全日本選手権を最後に現役を引退。Tリーグのチェアマンとして、プロリーグ立ち上げに尽力した。
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