Tリーグ松下チェアマン、2年目の構想。
「今はまだベンチャー企業」 (3ページ目)
――つまりそれだけ長いスパンでリーグの運営を考えているということでしょうか?
「そうですね。実際に結果が出るのは早くても10年後ですから。ただ、強化の仕組みづくりはリーグとしての義務でもあります」
――強化の面から言えば、Tリーグでの経験を活かして躍進した選手もいました。
「早田ひな(日本生命レッドエルフ)や木原美悠(木下アビエル神奈川)といった若手は、非常に伸びたと思いますね。岡山リベッツのリン・ユンジュもリーグの経験を経て強くなりました。彼女らはまだ10代ですから、実戦経験によりまだまだ伸びる可能性があります。Tリーグが少しでもその契機となることができていたなら、それは非常に意義のあることだと思います」
――これまでの卓球界では、団体戦でひいきのチームを応援するという概念が希薄でした。その面でもTリーグができたことで、観戦スタイルにも変化が生まれてきているのではないでしょうか?
「やはり団体戦は、チームや会場の一体感が生まれて盛り上がるんですよ。あとはチーム毎のスタイルが出てきていると思いますね。選手個人ではなく、チームを応援する。こういった文化は新しく生まれた概念かもしれません。
選手達の配慮も大きかったですね。昨シーズンは選手達が試合後のサインや記念撮影などにも積極的に応じてくれていました。世界トップクラスの選手とも気軽に触れ合える。そんな身近な存在であることを認識したファンも多かったのではないでしょうか」
――実際T.T彩たまに関しては、試合中にチアリーディングの応援があるなど、いい意味で"卓球らしくない"シーンも目にしました。
「T.T彩たま、木下マイスター東京、木下アビエル神奈川などは、チームとして応援スタイルが確立されてきていますよね。応援団や歓声なども含めて、楽しみ方を皆さんで作っていっていただければうれしいですね。たとえば、仕事のあとにビールとツマミを片手に卓球を楽しんでもらうのもいいですし、家族で観戦してもらうのも楽しいはずです。これはダメ、あれはいいというような固定概念がないので、いろんなスタイルで卓球を観てもらえればと思います」
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