「打倒中国」を果たすために。松下浩二が語るTリーグのでっかい使命 (4ページ目)

  • 城島充●文 text by Jojima Mitsuru
  • photo by Tamura Sho/AFLO SPORTS

 卓球人気に関しては、逆にこうした追い風が吹いているときでないと、Tリーグの立ち上げはできなかったと思います。世間が最も注目する東京五輪の代表選考と直接的には関係しないことも注目されにくい要因かもしれませんが、代表選考については、2020年以降に変わる可能性もありますし、Tリーグでもっとも成績のよかった選手は世界選手権の代表候補になる規定は組み込んであります。

 いずれにせよ、Tリーグを理解してもらうため、ファンを増やすためのいろんなアイデアをどんどん仕掛けていこうと考えていますが、まずは開幕試合です。『チケットの価格設定が高い』という批判も耳にしますが、これまでの卓球にはなかった演出と、選手たちのハイレベルなプレーを披露できると思うので、ひとりでも多くの人に両国国技館で歴史的瞬間を目撃していただきたいですね」

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 インタビューの最後に松下は「打倒中国と繰り返して発言してきましたが、僕が求めているのは勝ち負けだけじゃないんです」と、力を込めて言った。

「卓球という競技が人々の暮らしを豊かにし、人間の文化を向上させていく力になる。そんなふうに卓球というスポーツのステータスをあげたいんです。目の前の問題点に対処していくのはもちろんですが、長期的な視野をしっかりと持ってリーグを運営していきたい」

 振り返れば、彼がプロリーグの構想を口にしたとき、その夢が実現すると予測した人はほとんどいなかったのだ。2020年の東京五輪を経た10年後、あるいは半世紀後、先駆者であり続けた松下浩二の挑戦は、今とは違う形で評価されているかもしれない。

■城島充■

1966年、滋賀生まれ。関西大学文学部卒業。産経新聞社会部記者時代に連載企画『失われた命』でアップジョン医学記事賞、『武蔵野のローレライ』でNumberスポーツノンフィクション新人賞を受賞。現在はフリーランスとして執筆活動をしながら関西大学の講師を務め、今年10月からはびわこ成蹊スポーツ大学スポーツ学部でも教授に。主な著書に『拳の漂流』(講談社、ミズノスポーツライター最優秀賞、咲くやこの花賞受賞)、『ピンポンさん』(角川文庫)。児童書に『にいちゃんのランドセル』『がんばれピンポンガールズ!平野美宇と伊藤美誠』(いずれも講談社)など。

◆Tリーグ開幕戦
【男子】
●10月24日(水)18:30~21:00
T.T彩たま VS 木下マイスター東京
BSテレ東にて生中継!

【女子】
●10月25日(木)18:55~20:49
TOP名古屋 VS 日本生命レッドエルフ
テレビ東京(TXN6局ネット)にて生中継!

●10月25日(木)18:30‐20:55
TOP名古屋 VS 日本生命レッドエルフ
BSテレ東にて生中継!

(リーグの詳細は、Tリーグオフィシャルサイトへ>>)

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