琉球アスティーダ早川代表が語る「初年度は2位でいいんです」の真意
Tリーグが10月24日に開幕する。チームは男女合わせて8チーム。関東・関西付近にチームが集中しているが、沖縄から参戦しているチームがある。
琉球アスティーダだ。
地理的にもそうだが、ビジョンやチームづくりもTリーグのチームのなかでは個性的でひと際、異彩を放っている。オーナーの早川周作氏もチームと同じく独創的でいわゆる"くせが強い"経営者である。沖縄から琉球アスティーダが目指すものは何なのか――。
琉球アスティーダに所属するリオ五輪銀メダリストの丹羽孝希 琉球アスティーダは、もともと2013年4月に誕生した沖縄の実業団チームである。プロチームは今年の3月に誕生し、実業団チームは今も活動中。下部組織も充実している。
オーナーの早川代表は今から7年前に沖縄に移住した。
飲食店など多くの事業を展開し、琉球大学で教鞭を執るなどしていたなか、現Tリーグチェアマンの松下浩二と出会ったことが琉球をマネジメントするキッカケになっている。
「松下さんにお会いした時、『5歳でスポーツを始めて、15歳で五輪の金メダルを獲れる可能性があって、沖縄で貧富の差が広がるなか、お金をかけずにチャンスを与えられるスポーツってありますか』って訴えられたんです。そこで『琉球をプロ化したい、その力になってほしい』というお話をいただきました。
卓球はそれまで自分がやってきた弱い地域、弱い者に光を当て、チャンスを与えられる社会を創るという志と同じ目線で見られる。それで30分でやろうと決断しました。卓球のことは全然分からなかったんですけどね(苦笑)」
早川代表の元には、以前はJリーグのチームからも経営の打診があったが、すべて断ってきた。それは自分のなかにあるキーワードと照らし合わせて考えたからだという。
「自分が楽しめるか、面白いか、新しい歴史をつくっていくのか」
とりわけ重視しているのが「歴史をつくる」ことである。
Tリーグは、卓球の新しいプロリーグ、新しい歴史をこれから刻むことになる。そういう意味でTリーグは、早川代表の琴線に触れた。
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