「打倒中国」を果たすために。松下浩二が語るTリーグのでっかい使命 (2ページ目)
――Tリーグに参加するチームですが、男女4チームずつ計8チームでスタートすることになりました。「日本生命レッドエルフ」や「木下アビエル神奈川」「日本ペイントマレッツ」といった企業チームと、「T.T彩たま」、「琉球アスティーダ」「岡山リベッツ」など、地域のクラブチームが融合した形ですね。
「企業名を使ってもいいし、クラブチームで地域の名を使ってもいい。それぞれに利点があるので、どちらかに限定することはしませんでした。それよりも、参入条件を厳しくして、そのハードルをクリアできるチームを選んだ結果です」
――今後、その顔ぶれ、チームの数は変わっていくのでしょうか。
「参加チームを増やすことは現時点では考えていません。Tリーグをピラミッドにたとえれば、その頂点をTプレミアとし、世界最高峰のレベルを維持していきたいからです。新規参入を次々と認めてしまった結果、チームによってレベルの差が大きくなることは避けたいですから。2021年以降には、Tプレミアの下にT1、T2と下部リーグを作ってピラミッドの底辺を広げていくのが現在のプランです」
――Tリーグは「強化」「育成」、「普及」を大きな柱にしています。まず強化についてうかがいますが、代表選手がオリンピックでのメダル獲得をはじめ、国際大会で活躍するようになった今、新たなビジョンを打ち出しにくい面もあるのでは?
「確かに日本の卓球は男女とも強くなりましたが、(前編で語ったように)特に男子の選手たちは海外のリーグで腕を磨いてきました。水谷隼はロシア、松平健太はポーランド、丹羽孝希がドイツという形ですね。でも、海外では移動と実戦の連続で新しい技術を身につけるための練習や、課題を克服するための練習をする時間が限られます。打倒中国を果たすには、現状のままでは難しい現実があるのです。
Tリーグではそれぞれのチームでたっぷり練習できる環境と時間を作れるでしょうし、ナショナルトレーニングセンターとも連携して練習環境をより充実させたい。選手の立場からすれば、世界へアプローチするにはいろんなルートがありますから、その選択肢のひとつとしてTリーグを考えてくれればいいと思っています」
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