ハンドボールで世界へ。本場欧州で戦う日本代表の男女2人は何者か? (4ページ目)

  • 田口有史●文・写真 text & photo by Taguchi Yukihito

 また、チームの看板選手であるクリスチャンセンは、欧州ハンドボール連盟のオフィシャル動画で「彼女はとても可愛らしくて、いつも笑顔。会話の内容はあまり理解できていないかもしれませんが、ボディーランゲージで補っています。デンマークに来るというのはとても勇気のいること。彼女がこのチームで気持ちよくいられるように、みんなでサポートしていきたいです」と語っている。

 157cmの小さな体で物怖じせずにプレーする姿、いつも笑顔で楽しそうにプレーする姿は、目の肥えたデンマークのハンドボールファンからも人気を得ている。チームスタッフや監督からの信頼も厚い池原は、現在の状況を次のように語った。

「小さな街ですが、熱狂的なファンがハンドボールを盛り上げてくれています。アットホームな雰囲気の中で試合をするのはとても楽しいし、ファンも一緒に戦っている一体感は、日本ではなかなか味わえません。プレー面はもちろん、人としても成長したいと思ってここに来たので、いろいろな面で自分を変えられるように頑張りたいです」

 移籍後に上々のスタートを切ったからこそ、より高い戦術理解と、チームメイトやサポーターたちと本当のコミュニケーションをとるために、しっかり言葉を学んでいく必要がある。それを身につければ、よりチームとファンから愛され、信頼される選手となっていくはずだ。

"世界最小最強ウィングプレーヤー"を目指す池原は12月1日からの世界選手権を、一度はハンドボールを諦めながら日本代表まで上り詰めた土井は2018年1月18日からのアジア選手権を戦う。ヨーロッパの地で成長する2人は、「応援してくれているファンたちのためにも、世界の強豪国を倒したい」と、自国開催のオリンピックを見据えた大会での活躍を誓う。

(世界選手権に挑む池原綾香のインタビューに続く)

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