ハンドボールで世界へ。本場欧州で戦う
日本代表の男女2人は何者か? (3ページ目)
今季、デンマーク1部リーグでプレーする池原綾香 欧州ハンドボール連盟(EHF)が主催するチャンピオンズリーグには、ヨーロッパ各国の優勝チームと強豪リーグ上位の数チームのみが参加できる。男子の決勝FINAL4は2万人、女子でも1万人を超える観衆を集めており、ヨーロッパの室内スポーツ最高峰の大会として、年を追うごとに注目度が高まっている。
そんな"夢のステージ"で戦うチームに移籍した池原が、ヨーロッパ挑戦を本格的に模索しはじめたのは今年の2月だった。
2016年10月に行なわれたリオオリンピックの予選で韓国に惨敗し、個の力のなさを痛感。「国内にとどまっているだけでは経験が足りない」と考えるようになる。そんな彼女が当時所属していた三重バイオレットアイリスの監督である櫛田亮介、ビジネスマネージャーの梶原晃が、共にドイツでのプレー経験があったのは幸運だった。海外でプレーするには、強い決意と行動が伴わなければ難しいことを知る櫛田は、池原を"本当に成長させる"ため、池原本人に移籍の交渉を進めさせ、自らはそれを支えるというスタンスを取った。
さらに、日本代表監督のウルリック・キルケリー氏のサポートなどもあり、今年4月末から5月の頭にかけてオーデンセの練習に参加。池原のプレーが高評価を受け、移籍につながった。
ニューコビンのヤコブ・ラーセン監督は、「技術がきちんとしていて賢く、シュートのバリエーションも豊富だ。プレーに積極性があって、身長は小さいけれどディフェンスもうまい。私が理想とする右のサイドプレーヤー像に近い選手だね」と池原を賞賛する。
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