2016.08.17

「自主キャプテン」福原愛の止まらぬ涙。
卓球女子、歓喜の銅メダル

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 涙が止まらなかった。幼少の頃からテレビに登場し、たくさんの涙を流してきた”泣き虫愛ちゃん”。でも、勝利後に涙が止まらないという経験は初めてだった。チーム最年長となる27歳で臨んだ卓球女子団体で、福原愛は銅メダルを獲得した。

「これまで(リオを除いて)3回五輪を経験させてもらって、メダルを獲れた五輪と、獲れなかった五輪の差を痛いほどわかっているので、なんとか死守できてホッとしています」

2大会連続してメダルを獲得した卓球女子団体 過去の3大会以上に苦しんだ五輪だった。男女を通じて史上初となるシングルスのメダルを目指した個人戦では準決勝に進出するも、中国の李暁霞(リ・シャオシャ)に何もできず敗れ、3位決定戦でも北朝鮮のキム・インスに敗れた(日本勢初のシングルスメダルは翌日に水谷隼が銅メダルを獲得)。メダルにあと一歩と迫ったからこそ、敗れた悔恨の思いは募った。

 団体戦に入っても、4時間を超える死闘となったドイツとの準決勝第5試合で、フルゲームまでもつれた試合を落とした。伊藤美誠とペアを組んだ第3試合のダブルスに続く敗戦で、決勝で待つ卓球大国・中国への挑戦権を失った。

「ドイツとの準決勝でものすごく悔いの残る試合をしてしまって、ずっと苦しかったですし、(準決勝から3位決定戦までの)この2日間ずっと負けた試合のことを考えていました。気持ちを切り替えたと自分では思っても、やっぱりドイツ戦の最後に勝っていれば……という思いが巡ってしまって。でも、もしこの気持ちを引きずってメダルを逃したら、私や(石川)佳純ちゃんはもちろん、(伊藤)美誠に4年間、しこりが絶対に残る。それだけは避けなければと思っていました」